エンジニアとして現場で働いているときにはその現場の管理職の指示に従って働くのが原則です。残業を銘じられたら遅くまで働き、プログラムの再構築を言い渡されたらやり直しを行うといった形で、基本的には管理職からの指示を断ることはできません。しかし、これは正社員やアルバイトとして勤務している場合のことであり、必ずしもどのような場合でも管理職の指示に忠実に従わなければならないわけではなく、管理職と対等とも言える立場になることも可能です。SES契約を締結して仕事に従事している場合がそれに該当するケースであり、フリーランスをしたり、人材サービスを利用したりしているエンジニアはしばしば経験します。
契約の意味についてよく理解していないと現場の管理職の指示通りに働いてしまいがちですが、SES契約では基本的には現場の管理職には指示を下す権限がありません。残業や出張の命令を言い渡されても断るのは自由であり、特定の業務を行うように指示された場合でも断れる場合があります。基本的には契約を締結した時点で定められた業務内容や待遇から逸脱することはできないようになっているのが特徴だからです。そのため、エンジニアは契約の時点で定められた内容に準じて自由に仕事に従事することができます。
フリーランスをしているエンジニアは特にこの点を見逃してしまう傾向がありますが、法的に認められていることなので覚えておくに越したことはありません。